【湯蔵ちゃんねる】遊戯王OCGリミットレギュレーション解説《2023年4月》

はじめに

はじめまして、YouTubeで遊戯王の動画を投稿している湯蔵ちゃんねるの湯蔵です。
今回は2023年4月1日より適用された、遊戯王OCGのリミットレギュレーションについて解説させて頂きます。

2023年4月1日は遊戯王12期を迎える節目でもあり、2022年の強力な新カードの影響で高速化した環境の規制を、どのように行うか決闘者の間でもかなり注目された改訂となります。

リミットレギュレーションの更新内容

新規禁止

【無制限→禁止】
スプライト・エルフ 

新規制限

【禁止→制限】

焔征竜-ブラスター 
グローアップ・バルブ

【無制限→制限】
剣神官ムドラ
古尖兵ケルベク
深淵の獣ルベリオン
スプライト・ブルー
ティアラメンツ・メイルゥ
深淵の獣ドルイドヴルム
深淵の獣バルドレイク
スキルドレイン

【準制限→制限】
ティアラメンツ・ハゥフニス

新規準制限

【制限→準制限】
エンシェント・フェアリー・ドラゴン
転生炎獣ガゼル
鎖龍蛇-スカルデット
星守の騎士 プトレマイオス
BF-隠れ蓑のスチーム
雷鳥龍-サンダー・ドラゴン
天底の使徒
魔導書の神判
【無制限→準制限】
神碑の泉

新規無制限

【準制限→解除】
オルフェゴール・ガラテア
鬼ガエル
閃刀姫-カガリ
八汰烏
呪われしエルドランド

スプライト・エルフ

新しく《スプライト・エルフ》が禁止カードの1枚となりました。このカードは、2022年前半の環境で猛威を振るった【スプライト】における中核的な存在であるのはもちろん、1枚のリンク2としてややオーバースペックな性能が問題視されていました。海外では既に禁止カードと指定されていたため、日本でも最も今回で禁止予想の多いカードでした。
新たに制限カードに指定された《スプライト・ブルー》も加え、【スプライト】は大幅なパワーダウンを余儀なくされることとなりました。

グローアップ・バルブ

禁止解除されたカードでは、遊戯王マスターデュエルで先に禁止解除されていた《焔征竜-ブラスター》に加えて、過去に2度も禁止となった《グローアップ・バルブ》が禁止解除に。
《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止になった現代では、そのカードの影響で禁止になっていた便利な効果を持つチューナーが、禁止解除されていく流れがありました。
また12期序盤からのシンクロ強化の方針も今回の禁止解除に影響していると思われます。
とは言っても今回の禁止解除はほとんどの決闘者が想定していなかったカードで、現環境では《水晶機巧-ハリファイバー》の時代より、シンクロ召喚で活躍できる高いポテンシャルを秘めていますね。
2023年4月の新環境で《グローアップ・バルブ》が早速使われ、今後の活躍が期待されているカードとなります。

規制された制限カードとしては、イシズに加えた【ティアラメンツ】や【深淵の獣】など、多くの2022年の環境を代表する新テーマに規制がかかる形となりました。
特に2023年1月のリミットレギュレーションで、《ティアラメンツ・キトカロス》の禁止を加え、大きな規制を受けた、【ティアラメンツ】は未だに環境上位に残っていていました。
4月の今回の改訂でさらに制限カードが増え、合計で6種類の規制カードを持つカテゴリとなります。

スキルドレイン

また、新カードの規制が目立つ制限カードの中に《スキルドレイン》が含まれています。
このカードは1枚でフィールドのモンスター効果を封じる高い制圧効果で昔から有名な永続罠カードでした。
近年のリミットレギュレーションでは、相手が展開する前に発動すればEasyWinに直結する、《王宮の勅命》や《虚無空間》が禁止になってきました。
《スキルドレイン》は自分の制圧効果を持つモンスターも無効化するため、長らく【エルドリッチ】と【ラビュリンス】や罠型の【神碑】など、モンスターで正面から戦わないデッキに長らく使われ続けてきました。
【ティアラメンツ】環境の中ではそこまで目立つ存在ではありませんでした。
しかし今回の規制されたカードの中で《神碑の泉》が新しく準制限になったため、恐らく罠型の【神碑】が2023年の1月以降の環境に一定数活躍していたのが影響していると思われます。

今回は【ティアラメンツ】の追加規制に加えて、その他の環境で活躍していたカテゴリのカードを規制し全体のゲームスピードを緩める内容となっていますね。
ほかに現環境で問題ないと判断されたカードの規制緩和を含め、2023年4月の新環境は落ち着きのあるスタートを切ったと思います。

 

考察

度重なる規制によって、2023年4月の改訂から2022年を代表した【ティアラメンツ】は安定感を落とし、《グローアップ・バルブ》を使った新たな戦術は得たものの、環境トップの座から退く事となりました。

ついにトップが陥落したことで環境は大きく変動し、【ピュアリィ】【超重武者】【クシャトリラ】【VS】.etc など、多くのテーマが活躍する環境になったと思えます。
特に1月に大幅な規制を受けた【クシャトリラ】が環境に再び良く見かけるようになりました。
さらに同じ年の3月に発売されたばかりの【VS】がさっそく大会で活躍したのも、4月は様々なテーマが戦いやすい新環境と言えますね。

以下から注目すべき新環境のOCGのテーマを3つ抜粋して解説していきます。

ピュアリィ

エクスピュアリィ・ハピネス

4月の環境で数多く活躍するテーマの中で最も数が多いのは【ピュアリィ】となります。
このテーマは速攻魔法がすべて展開効果になる高い安定感に加え、同年の1月に発売された「CYBERSTORM ACCESS」にて登場した新規カードの《ピュアリィ・リリィ》と《エクスピュアリィ・ハピネス》によって大幅に強化されたテーマです。
このテーマのエースである《エクスピュアリィ・ノアール》は、X素材が5枚以上ある状態で相手の効果を受けなくなる、強固な耐性を持っています。
X素材を2つ取り除き、フィールド・墓地のカードをターン制限なくデッキ下に戻せるので、非常に強力です。
ピュアリィは12期の「DUELIST NEXUS」に新規カード2種が追加されており、今後更なる活躍が予想されます。
5素材以上保持している《エクスピュアリィ・ノアール》を突破するデッキは、現環境でほとんどいないのも、環境トップに最も近い存在へと押し上げています。

クシャトリラ

クシャトリラ

このテーマはレベル7を中心に構成された展開テーマで、1月のリミットレギュレーションで初動カードの3枚が制限カードに指定されています。
大幅な弱体化を既に受けているテーマですが、サーチ効果を持つ、フィールド魔法である《六世壊=パライゾス》をサーチできれば間接的に1枚初動へ繋がります。
そのため、《惑星探査車》などの汎用的なフィールド魔法サーチカードの採用で、安定感をある程度リペアしているのが特徴です。
4月に追加の規制がなかったため、新環境でも活躍できる機会が増えたテーマとも言えます。

VS

VS ラゼン

新環境の中で最も新しいテーマが【VS】であり、デッキビルドパック 「ワイルド・サバイバーズ」にて登場した新カテゴリの1つです。
自分・相手ターンに手札のカードを見せ、属性によって様々な効果を発動して戦っていくデザインとなっており、その属性に対応した様々な汎用カードも採用できるのが特徴です。
同カテゴリのモンスターに唯一アクセスできる《VS ラゼン》を起点に、リンク1モンスターの《闘神の虚像》を活用して大きく展開できます。フリーチェーンで対象を取らずに盤面を除去できる《VS 龍帝ヴァリウス》がエースカードとして強力です。
このカードは新テーマ故に、現状では初期のカードプールのみで環境を活躍していることになります。今後も新規カードの追加が予想され、高いポテンシャルを秘めていることで期待値の高いカテゴリとなります。

さいごに

今回は、4月のリミットレギュレーションの内容から実際の変動した環境で活躍するテーマについても解説しました。
遊戯王OCGはこれから12期として様々な新テーマや既存の強化が登場していくと思われますので、ますます注目と期待が集まっていくと思います。
ぜひ、皆さんもお気に入りのテーマを見つけられると幸いです!

湯蔵チャンネル